空気質について教えて

Q. ビルの空調管理で重要な、空気質の基準ってなに?

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サイトーさん、ワタシ、週末に軽井沢へ行ってきました! おいしい空気、たくさん吸って、すっごく元気になりマシタヨ。実は先日、お客サマからも空気質についてたずねられマシタ。最近はPM2.5も話題になっていますし、今日は空気質について教えていただきたいデス!

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それはよかった。だがジェニファー、PM2.5と空気質はまったく違うぞ。まずそこから学ばなければいけないね。

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Oh!…そうなんですか。よろしくお願いシマス。

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PM2.5は大気中に含まれている小さな汚染物質のことで、それはわかるよね。それに対して空気質は、建物内の空気中のガス成分量のことを指すんだ。日本では、建築物における衛生環境の法律“ビル管理法”によって、空気質を測定し、施設内の空気に有害な物質が含まれないよう、一定の基準を守ることが義務付けられているんだよ。ビル管理者にとっては、必要な知識のひとつだね。

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Humm…それで、お客サマは空気質のことが気になっていたんですね。

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まずビル管理法だが、これは特定建築物が対象だ。特定建築物って知っているかな?床面積が3,000平方メートル以上で店舗や事務所などに使われる建物や、8,000平方メートル以上の学校などが特定建築物に指定されている。こうした建物では一般的に開閉できる窓が少なく、密閉性が高いため、空調設備を使って室温管理や空気の循環を行っているんだ。もし空調設備が正しく機能していないと、そのビルを利用している人たち大きな影響が出てしまうかもしれないから、きちんと空気環境測定をして、空気質を調べなさい、という法律だよ。

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タシカニ、自然のなかの空気はとってもおいしかったですけど、ビルのなかでもフツーに空気、吸ってマス。空調設備のおかげだったんですねぇ。ところで空気質って、具体的にはどんなものを調べるのデスか?

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空気測定では、施設内の空気に含まれている浮遊粉じんの量や、一酸化炭素、二酸化炭素の濃度、さらに温度や湿度、気流、ホルムアルデヒドの量を測定し、一定基準以下を保つようにしているんだ。

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けっこういっぱいあるんですねぇ。いろいろと調べていただければ、それだけ安心デスネ。

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それだけじゃないぞ、ジェニファー。

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おっと、カネコさん。また突然の登場ですネ。

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まぁまぁ。空気測定は年6回の測定が義務付けられているので、平均して2ヵ月に1回のペースで行われていることになる。定期的に測定を行うことで、ビルに設置された空調設備が正常に機能しているかをチェックできるメリットもあるんじゃ。最近の空調設備は、温度や湿度、換気も自動制御でコントロールして、一酸化炭素や二酸化炭素なども換気によって減少させられる。ただし、換気量を増やせば冷暖房にかかるエネルギー量も増大するため、多くの空調自動制御ではCO2濃度センサーで換気量を最適にコントロールしている。空調設備の役割は重大だから、きちんと機能しているかを頻繁にチェックできるというわけじゃ。

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最近のビルは、ニオイもあまり気にならないけど、これも空調のおかげなんデスカ?

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そうじゃな。ニオイは直接測定していないが、二酸化炭素濃度と相関関係があるといわれておるから、二酸化炭素濃度をコントロールしていれば基本的には問題ないと言われているぞ。

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一つ、課題となっているのが二酸化炭素の含有率基準だ。近年、大気のCO2濃度が徐々に上昇しているため、以前よりも換気量を多くしないと1000ppmを確保できなくなるケースも出てきているんだ。まだ議論の緒だが、二酸化炭素濃度の基準が1000ppmで適当なのか、なども検討され始めているよ。

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あまり気にせずにオフィスで仕事したり、商業施設で買い物したりしていましたが、空調設備があってこそ、だったんですネ。ありがたいデス~。ところで空調測定って、もしかして、たまにカートを押してやってくるお姉さんデスカ?

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そうそう、あれはビル管理士が指定した専門の業者が行っているんじゃよ。空気環境の測定方法は、階ごとに、居室の中央部の床上75cm以上150cm以下の位置に所定の測定器を置いて、指定された方法で行われるぞ。こうした専門業者はビルオーナーが契約することもできるので、ジェニファーの顧客も関心を持ったのではないかな。

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I see…それでオーナーさんから空気質のお話が出たんですね。空調設備の大切さも分かりましたし、良いアドバイスをして、お客サマの安心につなげたいと思いマス。

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そうそう、もう一つ言わせてくれ。空調設備では、多くは冬にしか使わない加湿器の能力維持も大事なんじゃ。ジェニファーも冬はインフルエンザに注意しているじゃろ。実は湿度が40%を下回るとウイルス感染などのリスクが増大すると言われておってな、実際に国内でも加湿器の不具合によって高齢者施設で大規模なインフルエンザの集団感染が発生した事例もあったんじゃ。

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我が社でも気化式加湿器の製品の販売や、その状態を確認したり更新の提案などのサービスを行っているよ。加湿器のメンテナンス不足や経年劣化によってカビ・悪臭が発生すると、設備の寿命を縮めたり、建物を利用する人の衛生環境の悪化にもつながる。空気質に関心をもっているオーナーさんには、興味のあるところだと思うから、ひと言アドバイスするといいね。

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Oh!Thank you.とても勉強になりマシタ!

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登場人物紹介

ジェニファー

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米国出身。ジョンソンコントロールズ入社5年目の営業担当で、新人アキラの教育係。趣味は旅行。彼氏募集中。

アキラ

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ジョンソンコントロールズに入社して間もない若手社員。帰国子女。草食系に見えて実は野心家。趣味のゴルフはプロ級の腕前。

斉藤さん

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ジョンソンコントロールズのエネルギーエキスパート。45歳、ジェニファーの上司。趣味は切手収集と省エネ。

カネコさん

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ジョンソンコントロールズの重鎮的存在。ビルオートメーションの歴史に関する知識に長けており、社内では“歩く社史”と呼ばれるほど。